冷え性対策ハーブティー | 原因を理解して対策しましょう

冬の寒い時期になると特に辛い思いをするのが「冷え症」の方々。

かくいう私も、冬はヒートテックの重ね着が外せません。
首も足もモコモコです。
靴下もはかずに家の中をウロウロしている夫は宇宙人だと思っています。

そんなわけで「打倒冷え!」をテーマに冷え症について調べてまとめてみました。

冷え症について

冷え症とは「普通の人が寒さを感じない温度でも、ほかの部分と比べて、体の特定の部分だけが冷たく感じる」症状のことを言います。
(本によって定義がバラバラだったのですが、だいたいこんな感じでした)

全身が冷たく感じるのは冷え症ではなく、単に「寒がり」というそうです。
(あれ?私どっちだろう?)

冷え症は冷たくてとっても不快な症状ですが、西洋医学では病気として扱われていません

冷え症の原因としてよく言われるのが「血行不良」

なんとなくイメージで「寒くて血が固まるの?」とか思っていましたが、調べてみたら全く違いました。

手足が冷える仕組み

私たちの体は、外の気温が暑かろうが寒かろうが、常に一定の体温を保っています。

体温(熱)は、主に筋肉や肝臓などで作られるのですが、その熱を全身に巡らせて一定に保たせているのが血液です。

なんか「冷え症」と関係が出てきましたね!

私たちの体は「寒ッ」と感じると体の末端部分(手や足先)にある血管をキュッと縮めて小さくして、血流を少なくします。

なぜかと言うと、指の先までまんべんなく完璧に血が巡っていたら、そこから熱をドンドン奪われてしまうからです。

熱を持った血液が全身を巡ることで体は一定の体温を保っているので、血が冷えると体中が冷えてしまいます。

それはよろしくないので、血液を体の真ん中に集めるような形にして、体から熱が奪われるのを阻止するのです。

なので、寒いときに指先が冷たくなるのは当たり前なんですね。

じゃあ別にいいじゃんとなりそうですが、冷え症は、この機能がおかしくなることが原因なのです。

冷え症は自律神経が関わっている

寒いときに手や足先の血管をギュッと縮めて血流を少なくして、全身が冷えるのを阻止するこの働きは、「自律神経(交感神経)」によって行われています。

自律神経は体温調節を担当しているので、寒いときだけ働くのではなく、暑いときは血管を広げて体から熱を発散させたりもします。

ところが、この自律神経が何らかの理由で乱れてしまうと、緊張が度を超えて必要以上に血管を縮めてしまい、指先に血がほとんど通わなくなって「冷え」となってしまうのです。

だから「普通の人が寒さを感じない温度でも冷たさを感じる」という条件が入ってくるんですね。

つまり冷え症は、自律神経の乱れが原因という訳です。

(他にも理由は色々あるのですが、大部分は自律神経の乱れと言われています)

自律神経の乱れと、それによって末端(指先とか)に血が通わなくなるのが「冷え」の原因なので、この2つに絞って対策ハーブを考えてみました。

①血行をよくする
②自律神経の乱れをなくす

それぞれのハーブをご紹介します。

【冷え症対策①】血行をよくするハーブ

ネトル

ネトルのハーブティーの説明

学名Urtica dioica
使用部位:葉
作用:利尿・浄血・造血
禁忌:知られていない。ただし心臓および腎臓の機能低下による浮腫がある場合は洗浄療法は行わない。
副作用:知られていない
相互作用:知られていない

引用:林真一郎編(2010)『メディカルハーブの事典 – 主要100種の基本データ』 東京堂出版

作用の「造血」は「血を作る」という意味です。
鉄分、ビタミンC、葉酸などを含んでいるので、貧血予防によく使われるハーブです。

血行を良くする前に、そもそも血液の量が少なかったら循環も何もありません。
貧血気味な人は、まずは血を増やすことから始めましょう。

冷え症は女性に多いと言われていますが、それは鉄欠乏性貧血の人が多いことも原因の1つとされているそうです。

冷えに悩んでいるなら、赤身肉なども食べて、まずはしっかり血を増やしましょう!

ローズマリー

学名Salvia rosmarinus
使用部位:葉
作用:抗酸化・消化機能促進・血行促進・陽性変力
禁忌:知られていない
副作用:知られていない
相互作用:知られていない
その他:妊娠中に使用しない

引用:林真一郎編(2010)『メディカルハーブの事典 – 主要100種の基本データ』 東京堂出版

「血行不良に良いハーブは?」と聞かれたら、一番に出てくるハーブです。

作用に「血行促進」、適応に「循環不良」と、もう「血行不良のために使ってください」と言ってるようなもんですね。

飲むだけではなく、お風呂の入浴剤として使うのもオススメです。
バスソルトも一緒に入れるとさらに体が温まります!

香りを出すのがポイントなので、袋入りならしっかり揉んで香りを出して下さいね。

※作用のところにある「陽性変力」とは、心臓の筋肉の収縮力を増強する作用のことです

【冷え症対策②】自律神経の乱れ対策ハーブ

寒いときは血管を縮めて体温が逃げるのを防ぎ、暑いときは血管を広げて体温を発散させる。

そんな働きをもつ自律神経は、実は2種類あります。

・交感神経:緊張や興奮状態
・副交感神経:リラックス状態

自律神経の乱れが血行の悪さにつながるのは上で説明した通りですが、自律神経が乱れてしまうのは、この「交感神経」と「副交感神経」のバランスが悪くなるのも1つの原因です。

強いストレスなどで緊張状態が続くと、交感神経ばかりが活性化してしまい、副交感神経とのバランスが悪くなってしまいます。

毎日忙しい人は、せめて一日の終わりにハーブティーを飲んでリラックスする時間を作ってみてはどうでしょう?

リラックスして副交感神経を活性化させると、自律神経の乱れがなくなって血流がよくなってきますよ。

ジャーマンカモミール

ジャーマンカモミールのハーブティーの説明

学名Matricaria chamomilla
使用部位:花
作用:消炎・鎮静・鎮痙・駆風
禁忌:知られていない
副作用:知られていない
相互作用:知られていない
補足:キク科アレルギーの者は注意する

引用:林真一郎編(2010)『メディカルハーブの事典 – 主要100種の基本データ』 東京堂出版

心も体もゆるゆるとリラックスさせてくれるハーブです。
おやすみ前の一杯なら、ミルクとまぜてミルクティーにすると良いですよ。

リンデン

リンデンのハーブティーの説明

学名Tilia europaea
使用部位:花・葉
作用:発汗・利尿・鎮静・鎮痙・保湿(外用)
禁忌:知られていない
副作用:知られていない
相互作用:知られていない

このハーブの詳しい記事はこちら

引用:林真一郎編(2010)『メディカルハーブの事典 – 主要100種の基本データ』 東京堂出版

香りをかぐとホッと心が安らぐお茶で、寝る前に飲むのがおススメです。

レモンバーム(メリッサ)

学名Melissa officinalis
使用部位:葉部
作用:鎮静・鎮痙・抗菌・抗ウイルス
禁忌:知られていない
副作用:知られていない
相互作用:知られていない

引用:林真一郎編(2010)『メディカルハーブの事典 – 主要100種の基本データ』 東京堂出版

レモンのようなさわやかな香りが特徴で、やっぱりホッと心が安らぎます。
とてもおいしいので、ハーブティー初心者の方におススメしたいハーブです。

まとめ

冷え性の原因:

自律神経の乱れと、それによって末端(指先とか)に血が通わなくなり、「冷え」が発生するため

対策ハーブ:

①血行をよくする
→ネトル、ローズマリー

②自律神経の乱れをなくす(副交感神経を活性化させる)
→ジャーマンカモミール、リンデン、レモンバーブ

でした!
ぜひ参考にして、活用してみてくださいね!


参考文献

・主婦の友社編(1985)『図解 冷え症の治し方』 菅井正朝監修 主婦の友社
・成美堂出版編(2014)『栄養の基本がわかる図解事典』中村丁次監修 成美堂出版
・林真一郎編(2010)『メディカルハーブの事典 – 主要100種の基本データ』 東京堂出版

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