タンポポのハーブ

タンポポ(ダンディライオン)とは?効果・効能など | 肝臓の働きをよくするデトックスのハーブティー

タンポポ(ダンディライオン)は古くから世界各地で薬として活用されてきたハーブです。もちろん日本でも昔から生薬として、肝臓の強化や健胃剤などの目的で使われてきました。

タンポポのキーワードは「肝臓」。

肝臓はデトックスに欠かせない臓器なので、タンポポは「毒素の排出」が主な働きになります。また、肝臓は怒りにも関係しているのだそうですよ。

この記事では、そんなタンポポ(ダンディライオン)についてご紹介いたします。

この記事で紹介するのは西洋タンポポですが、それとは別に日本タンポポもあります。「日本」という名前がついているぐらいなので古来から日本に生育していた在来種ですが、西洋タンポポの方が繫殖力が強いので、今では日本タンポポは少なくなってしまったそうです。ちょっと残念ですね。

タンポポ(ダンディライオン)ってどんなハーブ?

ダンディライオンってどんなハーブ?

西洋では、タンポポは「春に行う体内浄化」で使用されてきたハーブで、体の中をキレイにしてくれる働きがあります。

春がきて暖かくなってくると、冬の間に体内にたまっていた毒素が体中を巡ってよろしくない状態になる(吹き出物とか)ので、それを防ぐ目的で使われていたようです。

実はタンポポは根(ルート)や葉・花など、使えない所がない超優秀なハーブで、春先になるとビタミンやミネラルが豊富に含まれている若葉をサラダにして食べていたそうですよ。
※ちなみに若葉以外はかなり苦いので、もし利用される場合は気を付けてください。

昔は、冬の間は乾燥させた肉やジャガイモなど長期保存ができるものばかり食べていたので、春にそういったサラダを食べて体を調節していたんですね。

もちろんハーブティーでも葉の部分を利用できるのですが、この記事では根(ダンディライオンルート)にしぼってご説明いたします。

ダンディライオンルートの効果・効能

ダンディライオン(西洋タンポポ)

ダンディライオン(西洋タンポポ)のハーブティーの説明

学名Taraxacum officinale
使用部位:根部
作用:強肝・利胆・緩下・利尿・浄血・催乳
禁忌胆道閉鎖・胆のう炎・腸閉塞
副作用:胃酸過多による不快感の可能性(苦味質によるもの)
相互作用:知られていない
補足:地上部はカロチノイドやカリウムを豊富に含み、食欲増進や利尿の目的で用いられる

引用:林真一郎編(2010)『メディカルハーブの事典 – 主要100種の基本データ』 東京堂出版

【強肝】肝臓の機能を高める

タンポポの代表的な効能ですね!

肝臓は体にとってとても重要な臓器で、肝臓が元気だと体中にパワーがみなぎるし、逆に肝臓に問題があるとエネルギー不足で「何もやる気になれない~」な状態になります。

肝臓の働きは、主に3つあります。

1.栄養代謝(栄養を分解したり、合成したりする)
2.解毒
3.胆汁の分泌

1の栄養代謝とは、食べ物の代謝のことです。

私たちの体は、食べた物をそのまま利用できるわけではありません。例えば食べた豚肉をそのまま自分の筋肉にできるかといったらそれは無理で、胃や腸で栄養素を分解・吸収した後、肝臓で利用しやすい形にする必要があります。

また、生きていく上ではエネルギーも必要ですが、それも肝臓さんが利用しやすい形で貯蔵した後、必要に応じて分解し、全身に送り出されます。

肝臓の働きが悪くなると、これらの働きが低下してしまうので栄養素の供給が滞ってしまい、「いくら食べても体は栄養不足」みたいな状態になってしまうのです。

えらいこっちゃですね。

2の解毒とは、毒物や老廃物を排泄することです。

「毒物」と聞くと怖いイメージがありますが、アルコールや添加物、医薬品などがこれにあたります。

肝臓は、こういった毒物や、1の代謝の時に生まれる有害な物質を解毒して、尿などに排泄する働きがあります。

逆にいうと、アルコールや添加物いっぱいの物をいつも食べていると、めちゃくちゃ肝臓に負担がかかってしまうということですね。

休肝日を作って時々休ませてあげてくださいね。

▼ 解毒について詳しくはこちらの記事をどうぞ

3の胆汁(たんじゅう)とは、 脂肪を消化・吸収するために必要な液体です。

また、コレステロールを排出する時も必要になります。

肝臓の話が長くなってしまいましたが、タンポポ(ダンディライオン)は肝臓の働きを良くしてくれるので、つまりこれらの働きが良くなるということになります。

どれだけありがたいハーブか伝わりました??

タンポポは肝臓の働きを良くしてくれますが、お酒を飲みすぎたら意味がないですし、保険にもなりません。「タンポポを飲んでるから大丈夫~」とか言っちゃダメですよ!!

【利胆】胆のうの働きを良くして、胆汁の分泌または排出を促進する

胆のうは、肝臓で作った胆汁を溜めておく保管庫のことです。

胆汁とは「脂肪を消化・吸収しやすくするための液体」でしたね。これによって、脂肪は腸から吸収されやすくなります。

脂肪の消化に関わってくるので、油っこいものを食べると腹痛を起こす人にもタンポポティーはおススメです。

【緩下・利尿】便通と尿の出を良くしてくれる

便秘気味なとき、穏やかな下剤としてお通じを良くしてくれます。

ただ、私にハーブを教えてくれた先生は「効きすぎて困る」とおっしゃっていたほどなのですが、私の場合は便秘気味でもタンポポで良くならないんですよね~。タンポポに限らず、こういうのって個人差があるみたいです。(便秘になる理由も人それぞれだから当然なのですが)

ですが、「タンポポすごく良かった!」という人は多いので、気になるならぜひ試してみてください。

▼ 詳しくはこちらの記事をどうぞ

また、タンポポは尿の出を良くする働きもあるので、体の中に溜まった老廃物をどんどん出してくれます。

肝臓の働きをよくして解毒の働きを活発にする上、便と尿の出も良くするので、体の中をすっきりキレイにしてくれますよ!

【催乳】母乳の出を良くする

母乳を良く出してくれるのと、ノンカフェインでコーヒーっぽい味がするということで「タンポポコーヒー」が有名です。

漢方ではタンポポの根を、母乳の出をよくするための生薬として利用しているそうなので、試してみる価値はあると思います。

自分がそういう目的で使ったことがないので何とも言えないのですが。。スミマセン(^^;

タンポポ(ダンディライオン)の個人的な感想

このハーブを勉強するまで、肝臓がこんなに大切だとは知りませんでした。

なので、私にとっては肝臓の大切さを教えてくれたハーブです。勉強するたびに「飲まなきゃ」と思って飲んで、うっかり忘れちゃうハーブでもありますが。(ごめんなさい)

それと、今回の記事を書くにあたって色々調べているうちに、東洋と西洋の伝統医学で「肝臓」「春」「怒り」というキーワードが見事に一致しているという共通点が見えて面白かったです。

詳しく説明すると、東洋医学の代表、古代中国には「五行色体表」というものがあるのですが、それによると五臓の「肝」(肝臓)は季節だと「春」で、五志は「怒」になります。

五季は病気が悪くなりやすい時期。
五臓は対応する臓。
五志は臓が弱った時に変化する感情。

つまり、春は「肝」が悪くなりやすく、それには「怒」が関係している。という意味になります。

詳しく説明すると、東洋医学では春は「芽吹き」の季節です。
太陽のエネルギーが上昇することで、地下にこもっていたエネルギーが上昇します。
東洋医学では、自然と人間の体は一体と考えるので、人の体の中でも、冬の間にこもっていたエネルギ-が上昇・発散し、活力がわきます。
でも、上昇の季節なのにストレスがたまっているとエネルギーが滞ってしまうため、イライラして怒りの感情が生まれやすくなるのだそうです。

五行

かわって、西洋の伝統医学だと、ダンディライオンは木星のハーブになります。
この木星が対応している身体部分は「肺、肝臓、鋤骨、脇腹、静脈」で、季節は「春」を意味します。

また、西洋の伝統医学でも「タンポポは感情の行き詰まりを緩和してくれる」とされています。

残念ながら私の力ではここまでしか分からなかったのですが、東洋も西洋も同じようなことを言っているんだなーということが分かって面白かったです。

私にとってダンディライオンは、いろんなことを教えてくれるハーブみたいです。

タンポポ(ダンディライオン)の副作用

米国ハーブ製品協会(AHPA)による分類は「クラス1」です。
※クラス1:適切に使用する場合、安全に摂取することができるハーブ

ただし、ダンディライオンには胆汁分泌促進作用があるため、胆石のある人には注意が必要です。

また、キク科の植物なので、キク科アレルギーのある人も注意が必要です。

本によっては「胆道閉鎖、重篤な胆のう炎、腸閉塞」の人は禁忌とされています。気をつけてください。

「国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部 健康食品情報研究室」が運用しているサイト『「健康食品」の安全性・有効性情報』では下記の内容となっていました。

通常の食事として取り入れる量を摂取する場合、おそらく安全であるが、妊娠中・授乳中は信頼できる十分な情報が見当たらないため、通常の食事に含まれる量以上の摂取は避ける。

https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv_agreement.html?528
ハーブティーを飲む際の注意事項
  • 他の薬と一緒にハーブティーを飲んではいけません。
  • 妊婦さんや授乳中の方は、お医者さんに相談してください。
  • 小さなお子さんは、薄めて飲むようにして下さい。

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