お茶は「植物だから安心」と思いがちですが、使い方を間違えれば健康を損なう原因となる事があります。
お茶なのになぜ?健康に良いのでしょう??
と思うかもしれませんが、健康に良いということは体に対して何らかの影響を及ぼしているということなので、副作用が全くないわけではないのです。
薬との飲み合わせに気を付けて
たとえば「セントジョンズワート」は、薬との飲み合わせに注意が必要なハーブとして有名です。
インジナビル(抗HIV薬)
ジゴキシン(強心薬)
シクロスポリン(免疫抑制薬)
テオフィリン(気管支拡張薬)
ワルファリン(血液凝固防止薬)
経口避妊薬
などと一緒に飲むと、その医薬品の効果を弱めてしまう可能性があるといわれ、2000年5月10日に当時の厚生省が併用に関する注意を発表しました。
これは医薬品との相互作用の代表的な例で、他にも注意が必要なハーブはたくさんあります。
このブログでハーブを紹介する時、私は主に
『メディカルハーブの事典(東京堂出版)』
『ハーブティー大事典(ナツメ社)』
を参考にして注意点を書いていますが、カバーできていない可能性もあります。
「服薬中だけどハーブティーが飲みたい」と思う方は、必ずお医者さんか薬剤師さんに相談してくださいね!
健康な大人を対象にしている
ハーブティーの場合、本などに記載されている健康作用の対象者は「体力があって体がしっかり出来上がった大人」です。
逆に言えば、体が発育段階の子供、薬を飲んでいる人、持病のある人、妊娠・授乳中の人、お年寄りなどは注意が必要ということです。
薬を飲んでいる人
→薬との相互作用の危険性がある
妊娠中や授乳中の人
→心身ともにデリケートになっている上、ホルモンバランスの調整をするお茶など、赤ちゃんに影響をおよぼす可能性がある
小さい子供やお年寄り
→体質や体調による変化の影響が大きいので注意
持病のある人
→持病を悪化させてしまうこともある
基本的にハーブティーは病気を治すものではなく、予防したり軽い不調をやわらげたりするのに使うものです。
なので、健康な人がちょっとした不調のために使うなら全く問題ありませんが、そうじゃない人が自分だけの判断で使うのは危険です。
小さい子供やお年寄りは様子を見ながら薄めて飲めば大丈夫ですが、持病のある人や服薬中の人はもちろん、妊娠・授乳中の人もお医者さんか薬剤師さんに確認をとった方が良いでしょう。
参考として、以下に「やめといた方がいい」と言われるハーブを書いておきます。
持病がある人
リコリス
高血圧、糖尿病の人は避ける
ダンディライオン(タンポポ)
胆道閉鎖、胆のう炎、腸閉塞の人は避ける
ホーステール
心臓病、腎臓疾患の人は避ける
ジュニパーベリー
腎臓疾患のある人は避ける
サフラワー
出血傾向のある人は避ける
ジンジャー(しょうが)
胆石のある人は医師に相談する
など(これだけじゃないので気を付けて!)
アレルギーのある人
キク科の植物(ジャーマンカモミール・アーティチョーク・ダンディライオン・エキナセアなど)
キク科植物にアレルギーがある人は避ける
アンジェリカルート、セントジョンズワート
飲んだ後に直射日光にあたるとアレルギー反応が出ることがある
など(これだけじゃないので気を付けて!)
妊娠中の人
妊娠中の人は、「これは避けた方がいい」ハーブが多かったので、逆に「これなら大丈夫じゃない?」と思うハーブを挙げてみました。
ですが、ダンディライオンとジャーマンカモミールはキク科なのでキク科アレルギーなら注意が必要です。
妊娠中に飲んでOKなハーブティー(ただしお医者さんに確認してね)
エルダーフラワー、ペパーミント、タイム、ダンディライオン(タンポポ)、ハイビスカス、ジャーマンカモミール、リンデン、ローズヒップ、マルベリー、ルイボス など
とはいえ、ここまで書いておいてなんですが、1杯2杯飲んだぐらいじゃどうってことありません。
1杯飲んだだけで体に影響を及すものがあったとしたら、それはお茶ではなく薬なので日本では買えません。
だから「飲んじゃった!どうしよう!」とか焦らなくて大丈夫ですよー
同じお茶を飲み続けちゃダメ
どんなに健康に良くても、同じお茶は飲み続けない方が良いです。
毎日の食事ですら「栄養が偏らないよう、いろんなものをバランス良く食べましょう」と言われるのですから、お茶だって同じです。
「体が慣れてしまうから」という理由もありますが、(薬に比べて)弱いとはいえ同じ薬効成分のものを毎日飲み続けると、体に何らかの影響が出てくる可能性があります。
ネトル・ダンディライオンなどは積極的に飲むことを勧めている本もあるので、他に比べれば大丈夫かもしれませんが、「絶対に大丈夫」とは言えません。
・毎日飲まず、1週間に3日ぐらいにとどめる。
・色々なお茶をブレンドする
・薄めにして飲む
などを心がけるようにしてください。
例外は「花粉症を予防したい」「生理痛を予防したい」など体質改善でハーブティーを飲むときです。
この場合は毎日飲んでも良いですが、「もう大丈夫」と思ったら止めてくださいね!
サプリメントも気をつけて
むしろハーブティーよりも、より多くの栄養を摂取できるサプリメントは気をつけることも多いです。
お茶は水に溶ける成分がほとんどですが、サプリメントは全ての成分を摂取できるので作用も強くなりますし、体内に蓄積されやすくなります。
具体的には、こういう事例があります。
ビタミンAとDについては、たとえばサプリメントなどを大量にとり続けると、過剰症を引き起こす事が報告されています。
『栄養の基本がわかる図解事典(成美堂出版)』より
また、入っている栄養以外の部分(カプセルの素材とか)がくせ者で、質の良くないサプリメントを摂取していると添加物がいっぱいで肝臓に悪かったりします。
(解毒は肝臓のお仕事)
それと、サプリメントも食べ物なので期限切れは捨ててください。
間違いなく体に悪影響ですよー
まとめ
『本当は怖いハーブティー』ということで、
・医薬品との飲みあわせに気をつける
・健康な大人以外は注意する
・同じお茶を飲み続けない
・サプリメントも注意が必要
でした。
そうは言っても、ハーブティーは昔からずっと使われてきたものなので、医薬品と比べると副作用のデメリットは少ないです。
なおかつ、あまりに強い作用をもつハーブは「薬」扱いとなるので、日本では気軽に買うことが出来ない仕組みになっています。
健康な成人が飲むにはとても良いものなので、注意点に気をつけて健康増進に役立てて下さいね!
※こちらの記事もぜひどうぞ!→初心者におくるハーブの買い方、選び方