リンデンのハーブ

リンデンとは(効果・効能など)| おだやかなリラックス系ハーブティー

リンデンは和名だと「西洋菩提樹(セイヨウボダイジュ)」と言います。

菩提樹と聞くと「仏陀が悟りを開いたあの木?」と思ってしまいますが、これはシナノキ科なので、インドの菩提樹(クワ科)とは別モノです。

それでも甘い良い香りがして、この木のそばにいるとくつろげるので、ドイツでは安心や安全の象徴みたいな存在なんだそうですよ!

30メートル近くまで育つ大きな木で、ヨーロッパでは「1000の用途があるハーブ」と言われています。

使う部位も「花」や「木」などありますが、それぞれ働きが違うため、この記事では花部である「リンデンフラワー」についてご説明いたします。

リンデンフラワーってどんなハーブ?

リンデンフラワーは、甘い香りで「不安」「不眠」などに良いとされる、穏やか系のハーブです。

また、フラボノイドが豊富で熱を外に出す働きがあるため、風邪のひき始めに飲まれることが多いです。

ほんのり甘い優しい味がして、飲みやすいハーブなので、子どもやお年寄りも安心して飲めるハーブティーになります。

リンデンフラワーの効果・効能

リンデン

リンデンのハーブティーの説明

学名Tilia europaea
使用部位:花・葉
作用:発汗・利尿・鎮静・鎮痙・保湿(外用)
禁忌:知られていない
副作用:知られていない
相互作用:知られていない

引用:林真一郎編(2010)『メディカルハーブの事典 – 主要100種の基本データ』 東京堂出版

【発汗】風邪のひき始めに良い

リンデンフラワーは、フラボノイドが豊富なハーブです。

フラボノイドは体内の熱を外に出し、尿の出を良くする働きがあるので、風邪による発熱に良いと言われています。
エルダーフラワーと良く似ていますね!

「それならコーディアルが好きだし、エルダーフラワーだけでいいわ」と思いがちですが、ちょっと待った!

たしかに働きはエルダーフラワーと似ているのですが、リンデンの方が穏やかに体調を整えてくれるので、ドイツでは子どもの風邪のひき始めに利用されることもあるのですよ。

リンデンのキーワードは「穏やか」です。

エルダーフラワーのようにガーッと勢いがある感じではなく、

穏やか~に
なごやか~に
ゆるやか~に

体を整えてくれる、というイメージです。

私の場合、風邪のひき始めはエルダーフラワーとこのリンデンを飲みますが、風邪が治りかけの「身体はしんどいけど、しんど過ぎて眠れない」という時は、リンデンだけを飲みます。

詳しくは次で説明しますが、リンデンにはリラックス効果もあるので、眠れない時にもおススメのハーブなんですよ。

※ハーブの発汗作用は皮膚の血流を増加させるため、場合によっては皮膚病、特に湿疹を悪化させることがあるそうです。気になる方はお気をつけください。

【鎮静、鎮痙】心と体を穏やかにしてくれる。不眠対策にも。

リンデンフラワーは体の緊張をゆるめ、心を穏やかにしてくれるリラックス効果があります。

これは主に「ファルネソール」という甘い香りの成分によるものだと考えられています。とても良い香りで、香水の原料にもなっているんですよ!

ですので、「リラックスしたいわ~」という場合は、香りを存分にかぎながら飲んでください

ちなみにこのリンデン、精油(アロマ)だとけっこうなお値段がします。
ハーブティーで楽しんだ方がお得ですよ(笑)

このリラックス効果のためか、リンデンは「不安」というキーワードでよく出てくるハーブで、不眠症にも頻繁に利用されます。

不眠症にもいろいろありますが、リンデンの場合は

  • 寝ていても、途中で起きてしまう(中途覚醒)
  • 眠りが浅い(熟眠障害)

という系の不眠に効果的です。

「何度も起きてしまって、あまり寝た気がしないなあ」
「寝たはずなんだけど、疲れがとれている気がしないなあ」

という不眠でお悩みなら、ぜひリンデンフラワーを試してみてくださいませ。

1日の終わりに飲む、リンデンフラワーのふわっと甘いお茶は、きっとあなたの心と体をほぐしてくれると思いますよ。

【利尿】高血圧が気になってきた人にもおススメです

リンデンフラワーに含まれている豊富なフラボノイドは、尿の出を良くしてくれる効果もあります。

つまり、体内の余分な水分を捨ててくれるということなので、高血圧の予防にもおススメです。

また、上で書いたように甘い香りが心と体の緊張をほぐしてくれるので、ストレスが多くて睡眠の質が下がっているなど、ストレス性の高血圧に特に良いとされています。

高血圧は、不安やストレスによって引き起こされるケースが多いんだそうですよ。私は知りませんでした。

ヨーロッパでは、オレンジフラワーとのブレンドが有名なのだそうです。

オレンジフラワーは、アロマの世界では「ネロリ」という名前で知られているハーブで、こちらもとても良い香りがします。

気になる方はぜひ試してみてくださいね!

ちなみに、私がリラックス目的で飲むときはジャーマンカモミールやパッションフラワーとブレンドすることが多いです。

【保湿(外用)】保湿剤に良い

アラビノガラクタンという粘液質を含んでいるので、保湿の化粧水として利用されることもあります。

ですが、「リンデンのハーブティーが余っちゃったわ」という時に化粧水代わりに使うならいいのですが、わざわざこれを保湿化粧水として利用してどれほどの効果があるのか謎です。

肌を保湿したいなら、個人的にはセラミドやグリセリン、ヒアルロン酸などを入れた方がいいんじゃないかな~と思います。

とはいえ、リンデンの化粧水がダメと言っているわけではないですよ。

香りが良いので、保湿ではなく香りメインで使うなら大賛成です!

常々思っているのですが、化粧水って香りも大事ですよね。

リンデンの香りの化粧水を使うと、心がほっとリラックスできると思いますよ。

リンデンフラワーの個人的な感想

リンデンフラワーは、「眠れない時に飲むハーブは?」と聞かれたら1番に答えるハーブです。
実際、眠れない時などに私自身も飲んでいます。

面白いなと思ったのが、エルダーフラワーもリンデンも「熱を出して尿の出を良くする作用がある」と言われているハーブなのに、「ハーブ占星術」という本によると

エルダーフラワーは「熱と乾」なのに対して
リンデンは「冷却と鎮静」なんですよね。

「熱」というのはおそらく発汗のことで、「乾」はおそらく利尿のことなので、エルダーフラワーは分かるのですが、リンデンは「冷却と鎮静」なんだ、みたいな。

そこがリンデンの「風邪のひき始めにいいけど作用は穏やかですよ。不眠や不安にもいいですよ」という部分に関係しているのかなーと思いました。

いろんなハーブがあって面白いですね~

リンデンフラワーの副作用

米国ハーブ製品協会(AHPA)による分類は「クラス1」です。
※クラス1:適切に使用する場合、安全に摂取することができるハーブ

ただし、「国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部 健康食品情報研究室」が運用しているサイト『「健康食品」の安全性・有効性情報』によると、下記の記載があったため、気を付けてください。

適切に摂取する場合、安全性が示唆されているが、妊娠中・授乳中の安全性については信頼できる十分な情報が見当たらないため、使用は避ける。

https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv_agreement.html?1929
ハーブティーを飲む際の注意事項
  • 他の薬と一緒にハーブティーを飲んではいけません。
  • 妊婦さんや授乳中の方は、お医者さんに相談してください。
  • 小さなお子さんは、薄めて飲むようにして下さい。

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